『月は無慈悲な夜の女王』 読了。

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)

月は無慈悲な夜の女王 (ハヤカワ文庫 SF 207)

冒頭でよくある管理社会からの脱出モノかと思ったら
メインテーマは政治と経済、そして独立革命だった。
要するにアメリカとイギリスの関係を月と地球に置き換えて
独立戦争をやってしまおうというわけだ。
ボリュームあるけど引き込まれる展開でぐいぐい読める。


SF小説は敷居が高い印象があったけど、月世界のとんでもない設定をさらりと記述し、
しかもそれが「ああ、なるほどねえ」と納得してしまうリアリティを持っているので
ふんふんと読んでいくうちに、いつのまにか作品内の月世界の設定が
自分の中であたかも事実のように浸透していくのを感じてしまうほど。
ああ、なるほど。これが"SF小説"か。こりゃあ面白いわ。